解説、というより思い出話・setagaya wandering education


2010年作。収録曲・ジャケット、購入方法などはこちらの記事
できてすぐ聞かせた身内の反応は割と悪かった。二年半経って今ではこれが一番好きって言う友達がけっこう多い。おれが作った音源にもらう反応はどれもだいたいそういう傾向にあるけど、とにかく初聴の印象がよくないらしい。
関係あるかはわからんけどおれ自身の第一印象も最低らしい。

読んだらわかるけど、これ書きながらおれこのアルバム好きすぎるんじゃんと改めて気付きました。買ってから読みたい人用に以下たたみます。自分ではかなり過去のものとして捉えてるから今回書かない方がいいことを書いちゃってるかもしれないので、敢えて読まない、というのもアリかと思います。お前の息子が作ったのか、ぐらいの距離感になってます。




1.夜風に吹かれて
「はじめなかおわり」にも入った曲のプリミティブバージョン。割愛。


2.春の呼吸
はるのいき、と読む。今考えるとじゃあタイトル春の息にしろよって感じ、かと思いきややっぱり春の呼吸と書いてはるのいきと読む、という回り道に重要な意味のある曲なのかもしれん。ああ、いまこういう曲書けなくなっちゃったなあ、と思って悩んじゃうくらいいい曲。いい曲っていうか、ある種の幼い思い込みだけが醸し得る表現ってのがあるよなあ。このアルバム全体が、今聞くとそう思わせる。
作った時期的にも内容としても、"春”と“決壊”の間をつなぐ曲。おれの春三部作のうちの一曲か。


3.とんびの浜
ド名曲だと思う。詞がけっこう熱いことを言ってるのを、曲が冷たく聞こえるようにしてるのがすごくいい。ベースも鍵盤もおれが弾いたなかでは一番の名テイクだと思う。
二番のAメロあたりに入る予定だったけど結局抜いた“さっきまで とんび飛んでる 夢だった”っていう言葉、そういう、寝起きのまどろみで切なくなったときの曲。

4.漂泊
すごく気に入ってたけどライブでは表現が難しくてなんとなくやらなくなっていった曲。おれはこういうの最高に好きだけど、人気は出ないと思う。
三番のAメロあたりに入る予定だったけど結局抜いた“世田谷の小さな公園で 探し物はあきらめた“っていう言葉、そういう、ひとりぐらしのフリーター(おれ)がバイトの帰り道に参っちゃったときの曲。アルバムのタイトルもこの曲のイメージから取った記憶がある。
前の曲にしてもこの曲にしても、迷って抜いた歌詞がいますらすら出てくるってびっくりだけど、つまり思い入れがあったんだろうなあ。


5.雨/ドアスコープ/月
これはいつか録り直してリリースしたいくらいの曲。なので割愛。


6.untouchable
好きっていうか、自分で聞いててもうつらくなるタイプの曲。なので割愛。


7.かくしごと
ていうかどれもこれも自分で聞いててつらくなる、このアルバムの後半、自分で聞いててなんかつらいですよーーーーーーー
思い出がどうこうというよりも当時の自分の苦しみ方を思い出してほんとにおれかわいそうっていうか、いたたまれなくなる。なので割愛。


8.the ballad
岸田さんのドラムが、完璧を通り越している録音。ライブではないけどいわゆる名演といって差し支えないような呼吸。ドラムとベースと歌がぴったりきてる。
意味は考えなくてもいいと思うけど、歌詞で言おうとしてる事が入り組みすぎてていま自分でもその思考の道筋を思い出すのに苦労する。当然自分では判断できないけど、それが音楽として表現できてたとしたら嬉しい。
この曲を作ったときの精神状態が、今まで生きて経験してきた中で比較的には自殺しようという段階にかなり近くて、その状態をそのまま曲にして残したのはこの曲と、あとはたぶん2007年に1、2曲あるくらいで、自分史的にすげえ貴重で重要な資料とも言える。
そういうところまでいってなんとか持ち直して、そしていままだ現に生きているということがこの当時の自分の切実さ、真剣さに照らし合わせてみると果たしてよかったと言えるのかどうか、それがまだはっきりしていない。この曲をいまきくとそういうふうに感じるということが、ともかく引き続き、しかしもっと精魂込めて、生きて確かめてやろうじゃないかという、つまり同じ文脈の上に確かにいまの自分がいることを感じる材料になる。自己統一性の根拠のひとつと言ってもいいと思う。(乱文だ、あとで直す)


9.しあわせ
ワンコーラス終わった後の間奏後半での岸田さんのフレーズにいっこ身悶えするほど好きなのがある。これも名演だなー。曲もかなり好き。好きだけどいまこういうのできないし、やりたいともあんまり思わない。この曲はおれにとって「あの頃の自分を思い出して恥ずかしいけどちょっと愛おしくなる感」そのもの。


10.story
このとき住んでた部屋がバイト先から自転車で5分しかかからなかったから、16時間勤務の休憩でいったん家帰って二時間で作った曲の、デモのテイクをほぼそのまま残した音源。この曲は入れるかどうか迷った末に、ボーナストラックっていう表記にして入れた。おれなりにこのアルバムにハッピーエンドを用意したかったんだろうな、と思う。




演奏はほぼ全曲ドラムに岸田佳也、ほかの全部はカメダタクが二曲鍵盤入れてくれた以外おれ。アルバム通してベースは音も演奏もけっこういい。

ドラムだけリハスタで、ギターはPOD通して、ベースや鍵盤も全部ラインで宅録、アコギ、ボーカルのマイクは今も使ってる57β。全行程MTR(zoom MRS-1608)で制作。