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花輪奈穂×よしむらひらく「ゆびさきの光、うまれてくる人たちへ」公開(thanks giving tour記番外)

仙台出身の写真家、花輪奈穂さんと映像作品を作りました。地震以前の写真から、2015年のものまで、わがままを言って本当にたくさんの写真を提供してもらいました。夏におれを撮ってもらったものもあります。画面を見ないで曲だけ、音を消して写真だけ、という楽しみ方もできるのでじっくり何度も見てみてください。


曲は、ツアーの後半辺りからライブではやってたけどまだタイトルの無い新曲です。デモの段階ではストリングスまで打ち込んだバンドサウンドで作っていて、今回の映像用に少しシンプルなものにアレンジし直して、でも写真を見ながら考えて結局最終的に弾き語り一発で録りました。「夢の終わり」を作ってるときに、選曲コメントもくれてるレガシーいのさんちにもうすぐ子供が生まれると聞いて、ババッとできた曲です。去年作った中で一番の名曲だと思ってます。



出会った頃のいのさんが住んでいた場所でもある仙台で、写真を撮っていた花輪さんと出会ったのは地震の前だったか後だったかちょっと忘れたけど、2010〜2011年くらいのことで、実はもう2年くらい前から一緒に映像を作ろうという話をしていました。別の曲で合わせて仮編までしたものもあったのだけど、その公開は見送って、そのままになっていたところに、この曲ができたときぴったりだと思って連絡して、今回の共作になりました。


ツアーで行く前の八月に日帰りで仙台に行って、おれも映り込んで写真を撮ってもらいました。
2011年の四月にしゅんすけさんと何時間もかけて歩いていった荒浜の同じ場所へ、今度は花輪さんの運転で。海に近付くほどはっきり覚えている風景がどんどん出てきて息の詰まっていくようだったのに、海岸のすぐ手前(新しい防波堤をつくる工事中で海岸までは行けなかった)で車を降りて、そこからなだらかな下りになっている陸側を見渡すと、驚くほど、なんというか、何からも責められていないような気分でした。天気がすごくよくて、風が気持ちよかったおかげもあると思う。話しながら、花輪さんも同じように感じていたようで、安心しました。四年半前に来た時の行き帰りが夜明けの前と後(海に着いた時がちょうど夜明けだった)で、瓦礫の山に囲まれていた同じ場所で、今は建物の基礎だけ残った上に草むらができている、ずっと見回して、考えれば正気でいられないような風景の中で、でも気分が悪くないということは本当に驚きで、ここに書くのも勇気のいることなのですが。
四年半前の明るくなり始めた帰り道で、建物の跡地の前でただずっと動かず立っているおじさんを見たときのことと同じように、この夏にここで見渡した草むらも忘れられんだろうな、と思いました。
ちなみに四年半前(もうすぐ五年か)に行った時に実はたくさん写真を撮っていて、前述の別の曲で作っていた映像にはおれの撮ったその写真も入れていたのだけど、今回それは無しにしました。花輪さんの写真の各出展先作品名は動画の下の説明の欄にあります。