8/13よしむらひらくメールマガジン臨時号転載

12日の富山のライブにお越しいただいた方々、ありがとうございました。
一泊だけしてそのまま13日に東京に戻る予定で新幹線のきっぷも買ってたんですが、なんかこのままどうしても旅に出たくなり、ともかく東京行きのきっぷをキャンセルして、反対方向の金沢へやってきました。いま(13日夜)金沢にいます。
富山で電車に乗る前に行き当たった田んぼの前でザーッと風が吹いて、真夏の曇りの日に田んぼの近くでだけ刺激される鼻の奥の部分、そんなことあるわけがないんですがそんな気分になってすぐに東京に戻る選択肢は無しになりました。


金沢というと、おれが小学校を卒業するまで住んでいた街です。住んでいたことがあったといっても実家はもちろん無く、両親が結婚してから移り住んだ街なので親戚も全くいません。友達といっても小学校の頃の関係で、SNSもなかった頃なのでいま連絡先がわかる人も少ない。さらにちょうどお盆の時期だし、みんなたぶんむしろ忙しい、というか家の外に出られない。

金沢に着いて、西都にある珈琲屋チャペックに行きました。チャペックのマスターは、おれの持っている二本のアコギ両方の元の所有者です。2年ぶりになんの連絡もなしで行ったけど特にわざとらしく大きく驚かれたりはせず、スッと迎えてくれました。
地図を見ながら読んでもらえるとわかりやすいと思うんですが、観光客が来るのは金沢駅の東側、西都のある西側は日本海まで住宅地と畑がひたすら続く、言ってみれば割と地味な景色です。地方出身者は郷愁を、都会育ちの人は旅愁を誘われる風景ではあると思います。
チャペックの表から県庁の大きな建物が見えて、その辺りをハヤブサのつがいが縄張りにしているとのことで、新聞の切り抜きを見せてもらいました(写真ツイートし
ました)。そんなことあるんだねなんて話をしていたらお店の外にいつの間にか望遠鏡を設置していたマスターに呼ばれ、県庁の屋上の隅にとまっているハヤブサを見ました。
高倍率の望遠鏡独特の視界の感じ、新しく巨大なビルの屋上の一番はじっこで何を見下ろしているのかゆったりととまっているハヤブサのシルエット、割と感動しました。
マスターとうちの親が知り合ったのも、そういえば子供たちに自然観察をさせる地域の集まりだったことを思い出しました。望遠鏡を覗くという行為はその頃はよくしていましたが、今はなかなか。マスター店内はいいんですかっつってるうちにハヤブサは飛び去りました。
チャペックで働いている男性がおれの顔に見覚えがあると言って話してみたところ、おれが小学校の頃に通っていた剣道教室で一緒だったS君だと判明もしました。
その剣道教室には小学生全体で20人かそこらしかいなかったと思うので、世界は狭いなという以上の驚きがありました。
去年まで関東に住んでいて、いまは月イチで東京にタブラを習いに行っているとのこと。20人のうち2人もミュージシャンを輩出したあの剣道教室はいったい何を教えてくれていたのか。
そういえば教室をサボって近くのゲームショップ(カメレオンクラブ。今からしてみると大人の男性が行くお店の名前にしか思えん)の店頭でタダゲー(新作テレビゲームの試遊機)をしていたのがおかんにバレて怒られたことがありました。
そういえばおれが金沢にいた、まだチャペックが今の西都ではなく近江町市場の外側の一角にあった(今は元お弟子さんがその場所で喫茶店をやってるそうです)頃に親父と2人で行き、お冷に砂糖を入れて飲もうとしてマスターに「砂糖もタダじゃないげんぞ」と怒られたこともありました。小学生のよしむら少年はこの人はちょっと怖い人だ、と感じた記憶がありますが、今ではおれは世界一冗談の通じる大人になったと自分では思っています。おれの冗談が人に通じないことはめちゃくちゃあります。さすがに喫茶店でお冷に砂糖を入れることはもうしません。

ツアーでのライブというのは、ただいい演奏をする、ということ以外に気を配らないといけない場合が多いです。
バンドメンバーを連れていくと、みんなに気を遣ったり気を遣われたりしているうちに自然と丁寧な体調管理をすることになるんですが、1人のツアーは、自分に対する扱いがぞんざいになることがあります。
ずいぶん前だけどどうしても寝不足になり、春先の京都鴨川河川敷で、湿った土の上に置いたギターケースを枕に半日寝ていたこともありました。30度越えの仙台の海岸沿いをギターをしょって3時間歩いたこともありました。
他にもいろんなわけのわからない状況がありました。食事を取るのも1人だと面倒でつい抜いてしまう。
そういう、ランナーズハイ的な、普段は味わえない過酷な環境の連鎖に、なぜかわざわざ飛び込んで行こうとするメンタルは、振り返ってみるといずれも知らない人に囲まれることになる(もっとひどい時にはほとんど人がいない)夜の本番が怖いという気持ちの反動による蛮勇だったんじゃないかと思います。ところが最近は1人での旅が楽しくて仕方ない。
楽しいという表現だけでは正確に伝わらないと思う、相変わらず体力的にきついし、暑くも寒くもない時期なんてほとんどないし、荷物は多い(最近、その場で誰かに借りればいいやってスタイルを取らず自分のギターを持っていくことが多い)し、ギャラを多めにもらうのは申し訳ないから貧乏旅行だし。1人の時間は多いし、でも好きなタイミングで1人になれるとは限らないし。一日中携帯のバッテリーに気を遣っていなきゃいけないし、プロツールスは基本的に起動できない(急ぎの仕事があるときはMacBookとロックキーだけ持っていく)。

ただ、特に先週の北海道と、昨日の富山のライブで、絶対に今まではできなかったことができているという感覚がある。音楽の話です。これまで弾けなかったギターが弾けて、出せなかった声が出せた。論理的に根拠を説明する気ないけど事実実感として、それはこれまで1人で何度もツアーをやってきたからだ、とわかっている。しかも、それはライブをたくさんやってきたからという理由だけではなく、寒い河原で寝転んだり、熱い海辺を歩き続けたり、裸足で雨の植物園を歩いたり、そういうことを重ねてきたからだ、と感じている。
筋肉隆々、真っ黒に日焼けして、僕は旅をしてきたよ、ということを歌うシンガーになりたいわけではない。そういう話ではない。

説明できる根拠がなく、自分でも正体がわからない、でも確信だけがあるこの手応えをもう少し強いものにできないか、ということを試してみたい気持ちが富山で急激に大きくなりました。例えば「はづきたち」という曲は富山のライブで今までとは別物になったと感じました。ゆーきゃんはこのライブのあと、マイベストよしむらひらくを更新する曲かも、と言ってくれた。
これを掴めれば自分が大きく変わることになる、というような何かの尻尾をギリギリ掴んだという気がしています。そいつをもう少しきちんと掴んで引き寄せたい。引っ張った結果やっぱり違うな、ということになるかもしれないし、引っ張り切るにはまだもっと、何年も必要だと感じるかもしれない。でもとにかく、今東京に戻ってしまいたくない。せめてできれば2,3日は1人でフラフラしたい。一度東京に戻るとしてもそこからの暮らしのフットワークをもっと軽くしたい。そんなふうに考えています。

わけのわからないことを言っていると思います。ただ、音楽なんてそもそもわけのわからないもの、というかわけのわかる、きちんと説明できるところに音楽の魅力があると思っていたのだとしたらこれまでの自分は大きく間違っていたと思う。
何が変わるのか、よくわからないけど、結果が見たいという人はSTUDIO ROTHA SHOPから商品という形式で支援を送ってもらえるようにしました。よしむらひらくに目的のない旅を続けさせるためだけの、世界で一番無為かもしれないクラウドファンディングです。自分の美学的にアリなのかナシなのか、検討する間もないのですが。

もし旅が続いていれば、明日も旅の記録をお送りします。


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□なんかこのまま出たくなった旅の支援500円コース□
・旅先からの絵葉書
・スタジオローサショップクーポン300円分



□なんかこのまま出たくなった旅の支援1500円コース□
・旅先からの絵葉書
・スタジオローサショップクーポン700円分
・8/12富山HOTORI×ほとり座 ソロライブ音源


旅先からの絵葉書については注文の際備考欄にメッセージを添えていただけたらおれもだいぶお返事として書きやすいかなと思います。

クーポンはメールにてお送りしますので、ご注文の際メールアドレスの入力をお願いします。

24時間以内に返信が届かない場合はお手数ですが
yoshimurahiraku@gmail.com
までお問い合わせください。

支援コースは送料と合わせての金額になっているので、ほかの商品を併せてご注文いただくことはできません。

8/14~8/31の期間、BASEオフィシャルが発行する、BASEでのお買い物が10%オフになるクーポンをご利用いただけます。こちらは支援コースにも是非ご利用ください。


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